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高校野球について


夏本番を控えている今日この頃。各高校のグラウンドでは、今日も球児達が夢の甲子園を目指して夜遅くまで練習に励んでいる。高校野球というスポーツは、全国大会ではなくても、各地方の各メディアで勝敗が必ず放送され、決勝戦以外でも、準決勝や準々決勝くらいからテレビで生中継されるようなアマチュアスポーツである。他のスポーツを考えて欲しい。決勝戦が放送されても、なかなか準々決勝はテレビ放送されるものではない。ましてや一回戦から決勝まで全試合放送の甲子園。なぜ、ここまで高校野球が大衆に人気なのかを考えてみよう。

高校野球」からイメージされるもの。「さわやか」「元気」「勇気」「全力」等々というのが連想されがちだろうか。しかし、その裏には、観客やテレビを観ている人達の想像を超えるような努力と仲間同士の衝突や支え合い、ドラマが存在するのである。それは、試合後を見れば分かる。勝った方も、負けた方も、一戦一戦「涙」を流す。人目も気にせず、純粋な涙を流すのである。観客達はさわやかで全力疾走のプレーを観たいのではなく、涙を流しているその一瞬の感情の爆発がみたいのかもしれない。人が本当に一生懸命な時に流す涙は美しいとも言える。決して中途半端なものではない。また現代では、涙を流すような感動的な出来事や体験というものが減って来ているのかもしれない。そういう時代には、すごく新鮮なものなのだ。

そして、何よりも高校野球の「魅力」と言えば「ドラマチック」であるということだ。負けているチームの最終回の攻撃や、息を飲むような投手戦で緊迫した延長戦、ランナーが返って来たら試合終了等といった様々の手に汗握る場面がある。しかし、そんな「もう駄目かもしれない」ような状況から、奇跡のような、ありえないプレーが突然起こるのである。まるで「野球の神様がいるのではないか。」と疑いたくなるような。これは、プロの世界ではなかなか起こらない。しかし、高校野球では接戦の試合になるとほぼ必ず起こる。それは何故なのか。球場中を見渡してみよう。応援団は必死に、目に涙を浮かべながら声をあげる。選手の保護者たちも、気が気でないように我が子を見守っている。マネージャーやチアリーダー達は手を合わせて、声を出すことも難しい様子である。グラウンドの選手達はユニフォームの胸を掴み、最後の最後まで叫び、祈っている。そう、この奇跡が起こる瞬間、誰もが必死に「祈り」を捧げているのである。もちろんテレビの前のあなたもである。それほど、観ている人間誰もが感情を込めて、ドラマを作るスポーツ、高校野球。それが人気の秘密なのです。